2023年も終わりに差し掛かって参りましたが、“関ジャム”毎年恒例「プロが選ぶ年間マイベスト10曲」に完全便乗して2023年マイベスト10曲をまとめていきます!(今年で3年目)
ちなみに過去のマイベストはこちら↓
選曲の前提条件としては、
◾️2023年発売曲(なお、アルバム自体は2023年発売でもシングル発売が別の年だった場合は除外)
◾️ミーハー心で溢れた、ただの音楽大好き人間なので、(あまり)マニアックな選曲ではございません!あしからず!
◾️一応ランキング形式にしていますが、日々変動するものなので怒らないでね(誰宛て?)
10.東京依存症/乃紫
今時の若い女の子の心情を軽快な言葉遊びで切り取るのが上手い乃紫。
ハートのエースが照らす街に
炭酸水の雨
絡みつくラッシュとこの路線図で
あなたが東京に溶けていく
ハートをすり減らす様な日々
薔薇色に変えて行け
酸素の不足した過密列車で
今日も皆東京に依存している
人に溢れた孤独な街・東京で精神をすり減らしつつも、憧れだったこの街を離れることができない。そんな多くの人が抱く感覚を小気味良くキャッチーに描いていて、都心を歩いていると思わず聴きたくなってしまう一曲。
9.人マニア-重音テト/原口沙輔
令和の時代に、これほどボカロらしいボカロを聴くことができると思わなかった。
2000年代後半〜2010年代初頭の狂ったボカロの雰囲気を受け継ぎつつ、音質は令和になっていて感動した一曲。
現代社会に対する皮肉たっぷりな歌詞も、重音テトにピッタリ。
詳しい歌詞考察はたっくさん出ているので割愛するが、
アホの
吐血見てると
チョキで
勝てる気すんな
の部分は「チョキで勝てる」=「頭がパー」ってことらしく、言葉遊びも非常に面白い。
8.PUPPET SHOW/XG
タイトなドラムリズムとJersey Club的要素、シンセサウンドが混ざり合い、独特な世界観を生み出している楽曲。
歌詞も多種多様な捉え方ができ、議論も生んだ作品だが、最年少のCOCONAによるRAPパート冒頭部分がクセになるくらいとにかくカッコいい。
Don’t like the look of this picture
Boy you think that I’m in love witcha?
Haha cry me a river
Thought you were slick to lead
But you’re an extra
この写真好みじゃないな。
え、私があんたのこと好きだと思ってるの?
大泣きすれば。
うまいことリードできると思ってたみたいだけどあんたは端役扱い。
7.Workin' Hard/藤井風
重めのビートに、抑揚を抑えたマイナーメロディー、そして合間に入るサックスの音色が絶妙に組み合わさり、超絶クールな仕上がりになっているこの曲。
掻っ攫った
圧巻でらした
あらら 世は実に易し
信じ切った
安心し切った
あたた 深き喜び
まず冒頭の歌詞の言葉選びと韻の踏み方が斬新過ぎて、度肝を抜かれる。
みんなほんまよーやるわ
めっちゃがんばっとるわ
わしかて負けんよーにな
ひそかに何かと努めるわ
なんも無くたっていいや
結果なんぞかったりーわ
全ての労働者に向けた、上から目線じゃない労働讃歌になっていて、そこに岡山方言とクールなサウンドが合わさることで斬新な楽曲になっている。
イントロからサビまで同じコード進行をループするR&Bのシンプルな構成ながらも、髭男らしく少しずつ外すリズムのつけ方が聴いていて気持ち良い。またメロディーは90年代JPOPの懐かしさも感じる。
ラスサビの畳み掛けるような転調とベース音を聴くたびに「キター!」と毎度鳥肌が立ってしまう。
そっけないくらいで僕らは丁度良いんじゃない?
きっと涙も言葉も
おまけでも良いんじゃない?
多分世界が次のフェーズへ行こうと見つけてみせるよ
いや嫌でも見つかるんだろうよ
コロナも終息に向かった2023年。この先も大変な出来事が待っていたとしても、身近にいるかけがえのない人と共に前向きに頑張っていこうと思える歌詞にもなっていて、髭男ならではの暖かさを感じるスルメ曲。
5.LADY/米津玄師
近年の転調が続く複雑な楽曲とは一線を画す、ピアノのループが続く単調な楽曲となっていて、
変わり映えのしない二人の日常を表した歌詞の雰囲気にとてもマッチしている。
例えば僕ら二人 煌めく映画のように
出会いなおせたらどうしたい
何も謎めいてない 今日は昨日の続き
日々は続くただぼんやり微かな足音 シーツの置く場所
それだけで全てわかってしまうよ
見え透いた嘘も隠した本当も
その全て愛おしかった
日常に含まれる生々しい生活の痕跡を記すことで、同時に二人の関係の刹那性を浮き彫りにしている気がして、どうしてこんなにロマンティックな歌詞が書けるのだろうかと米津玄師の文才に改めて脱帽した楽曲。
引っ張ったり噛み付いたり 傷ついたふりしてみたり
明日の朝に持ち越したり 浮ついたりして
思いきり傷つきたい いつまでもそばにいたい
今すぐ行方をくらまそう
4.16:28/君島大空
振り絞ったような君島大空の歌声と、大切な人を失った哀しみを描いた歌詞の相乗効果で、どうしようもなく胸が締め付けられる。曲調の変化が詩の主人公の心情とリンクして、リスナーにも伝播する。
ねえ
また僕は会いに来たんだ
時計も合わせたよ
星屑塗れの空が幕を引いて
泣き出すまでそばにいてよ
さあ
途切れながら
聴こえるなら
腕を引いて
君を燃やす煙の中で立ち尽くしても
いつも届かない
どうしてタイトルが「16:28」なんだろう、とずっと疑問に思っていたのだが、どうやら日没時刻16:28が一年の中で丁度底になるらしい。
つまり、それ以降はどんどん日没が遅くなって明るくなるしかない、ということ。君島大空、天才か。
3.ETA/New Jeans
2.頬杖/Bialystocks
1.花/藤井風
今回のマイベストソング2023は下記にプレイリスト化していますので、ご興味のある方は是非チェックしてみてください。
以上、2023年マイベストソング10でした。来年もお楽しみに!